管理職になりたての頃は、自分では部下とのコミュニケーションはうまくいっているし、部下は自分に特に不満はないだろうと思っていました。
2015年に受けたあるセミナーで360評価というものを初めて教わってから実施してみると、「こんな不満があったん?なんで?」とあぜんとしました。
正直すごくショックだったが、まずは部下からの意見を紳士に受け止めることで、1年という短期間で部下との一体感が生まれたと自負しています。
実践するためのポイントを具体的にご紹介させて頂きますので、参考にして頂ければ幸いです。
【360度評価とは?】
360度評価とは、評価対象者の上司だけでなく、同僚、部下なども評価対象者の評価を行うことです。
人をより多面的に評価をするために、考え出されたものです。
私が行ったのは、会社全体では難しいということでしたので、自分のチーム内で部下からの評価をもらうようにしました。
【導入目的】
360度評価の目的は、対象者をより広い角度から評価をすることです。
人によって評価は異なることが多いため、上司だけの評価では、ほんの一部分しか見えていません。
立場が違う複数の人に評価してもらうことで、様々な長所・短所を見ることができます。
自分のことをしっかり見てくれていると従業員が感じれば、会社に対する信頼が強まり、仕事へのモチベーションアップも期待されます。
【具体的な方法】
1. エクセル等で評価項目を作成して各項目の点数を付けて頂く。
2. 点数のみではなく、コメント欄に日頃思っている事を記載して頂く。
ただし、誹謗中傷や悪口は絶対にNGです。
3. 匿名で記入してもらいますが、注意点はどんな事でも反論しないこと。
言い分も多々あると思いますが、あくまでも紳士的に受け止まるようにしましょう。
4. 匿名で指定フォーマットに記入後は、指定共有ホルダーに入れるように依頼する。
注意点は、ファイル最終保存者がプロパティでわかってしまう事です。
必ず、記入者がわからないファイル設定にしておきましょう。
5. 実施時期は、年末などのボーナス時期などで、部下評価を行う同時期に実施する。
実施するにあたり、期限、方法、なぜ実施するのかの思いを伝えるようにしましょう。
チームのあるべき姿を描き、チーム内に説明する。
理解してもらって始めて、部下も協力して本気で評価してみようと思います。
思いは必ず伝えるようにしましょう。
【自己成長できるチャンスととらえる】
部下は評価を一方的に受けているだけで、日頃言えない事も多々あると思います。
その意見を上司が吸い取って、客観的に自分を見直すチャンスです。
部下からも評価をうけることでチームに緊張感がうまれ、良好なコミュニケーションにつながります。
部下から言われる事に慣れていないと、最初はショックを受ける事もあるかもしれませんが、あくまでも自己成長の材料だととらえましょう。
また、上司としての言い分もあると思いますが、ここはグッと我慢をして、自分自身の仕事の改善につながるネタはないかという視点を持ってのぞみましょう。
【問題解決の糸口になる】
匿名性の高い評価によって、部下は遠慮なく上司を評価することができます。
その結果、部下にとって満足度が低い上司の問題点を明確にすることができ、問題解決への足掛かりにすることができます。
上司だけではなく、部下が仕事をしやすい環境を作り出す事ができます。
【まとめ】
優れた上司は、部下の動かし方や育成方法に長けており、チーム内に良い雰囲気を生むのもうまいです。
仕事での成果も当然上がります。
管理職の場合は、部下を成長させることが求められる役割の1つであり、それを達成するためには、部下からの率直な意見が必要不可欠です。
部下からの貴重な意見をもとに、部下だけではなく、上司も自己成長していきましょう。
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