2021年8月、3年前の西日本大豪雨の追悼式がありました。
筆者の地元である岡山で大変な被害があったんです。
平成最悪の水害であると言われていて、今でも約千人が仮設住宅で暮らしています。
水害当時は、たまたまニュースを見ていた嫁さんが、「この場所、○○さんの住んでいるところじゃない?」と言った。
あわてて友人にすぐに電話をして、安否を確認したんです。
友人とご家族は無事だったが、両親と経営していたガソリンスタンドと、隣接した自宅が被害にあったということでした。
地元の友人に電話をすると、ボランティアに向かうとのこと。
それなら一緒に行こうということになり、6人で現地集合。
嫁さんに話をすると仲間全員分の弁当を作ってくれた。
嫁さんには本当に感謝。
筆者は大阪から向かうことにしたが、後の仲間は、広島、地元の岡山組となった。
岡山に入って、現地に近づくにつれて、泥まみれになっている対向車が増えてきた。
自衛隊の車や交通整理をしている隊員の方も目立つ。
現地に車が入ったが、唖然とした。
これが本当に地元の風景なのかと。
町がはいきょと化していた。
とにかく、大量の泥が押し寄せていて、砂ぼこりが町を覆っていた。
何か違和感があると感じて、上を見ると電線にゴミが引っかかっていた。
瞬時にここまで水がきたことをさとった。本当にすさまじい。
やっと友人が経営していたガソリンスタンドに到着。
被害にあった友人とやっと再会できた。
顔を見て、「本当に無事でよかったなー」と声を掛けた。
それから友人が被害の大きさをみんなに見てもらいたいと言い出して、友人宅を見せてみらうことに。
一階は壁が剥がれ落ちて、家の柱が見えていた。
二階に上がっても、水に浸かっていない場所はなく、完全に水浸していた。
でも、ガソリンスタンドは周りの風景からするとやたらにキレイで、水害前と何も変わらないぐらいだった。
気になってそのことを伝えると家族で早朝から夜まで、休みなしで頑張っていたらしい。
自分の店を経営する強い思いは、到底自分にはわからない。
ここまで短期間でキレイにするには、そうとうな強い意思がないとできない。
しかも、7月の真夏日で毎日35°以上の炎天下の中です。
そんな強い思いを感じたが、言葉には出さないけれど仲間全員が感じていたと思う。
暫くして気合を入れて作業に取り掛かかる。
店、自宅周辺の泥をかき出す作業。
真夏日でひなたでも38°ある炎天下です。
10分作業しただけで、ヘトヘトとで体力消耗が激しい。
自衛隊の作業を横目で見ながら、作業を進めるが、彼らが休憩している姿は見られない。
自衛隊の方々の体力は化け物だ。
本当に頭がさがる思いです。
12時になったので、昼休憩をしようということになり、嫁さんが作ってくれた弁当を差し出すと
「本当にデキた嫁さんやなー」と言われて少し照れた。
そうこうしていると、あっという間に夕方になり、解散する時間になった。
またみんなで会おうということになったが、なんだかさみしい気持ちと被害にあった友人のことを思うと
何って声を掛けたらいいのかわからなくなった。
あまりしみじみした会話はせず、いつもと変わらない明るい感じで解散した。
あれから3年がたって追悼式が行われた。
仲間内からもいろんな思いが聞けた。
あの時のことを後悔する人
なんで助けてあげれなかったのか。
インフラがいまだに整理されていない。
こどもたちのことを心配する声もある。
夏休みなのに子供たちが水が怖くて、プールにも入れない。
3年たってもあの時の光景が絵に浮かぶようです。
帰りの道中にいろいろ考えていたが、いろんな人の思いを聞いていると、「本当の復興とは何だろうか。」と思うようになった。
進むべき方向性は?
どこに向かって進んでいくのかを議論しないといけない。
物質的な復興を望む人もいる一方で、精神的な心のケアが必要だと訴える人もいる。
不透明な時代だからこそ、リーダーが将来のビジョンをしっかり示して、進むべき方向性を決めて、手を取り合って進むしかないだろう。
でも、本当の復興は最後はヒトの心の中にあると思う。
過去を振り返ってみて、前に向かって進んでこれたか。
将来のビジョンに向かって進んでいるか。
将来のビジョンは、今のままでいいのか。
どれだけ納得がいく答えを出せるか。
会社の組織でも同じことが言えるんではないだろうか。
しっかり過去、現在から将来のビジョンを示して、社員のベクトルを合わせていく。
そうすれば、未来に対しての不安は取り除かれて、社員全員の本来の能力がでるのではないか。
自分たちの仕事の価値は何か
社会に対して、何を価値提供していくのか
あらためて、いかにビジョンを描くことが大切かを学びました。
会社でも一緒。自分が進むべき道がはっきりしている人は強い。
少しでも路頭に迷う人を救いたいと思うようになりました。
その道を作る手助けができればいいと思って、キャリアシートを作ったので、メンバーに書いてもらおうと思う。
そのシートを見ながらONE ON ONEで質問をしていき、書いた内容を掘り下げていく。
将来的には会社全体で仕組みをつくって、最高の組織にしていくのが目標です。
想像しただけでワクワクしてきた。・・・
こんなワクワク感を忘れないように、同じ思いを描ける人を増やしていきたいと思います。
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